整形外科医による診察~変形性膝関節症は自分で判断できない~

変形性膝関節症になりやすい人はこんな人~特徴を知れば予防できる~
変形性膝関節症の治療法は手術と保存治療の2つ!
自分の足はO脚!?セルフチェックで確認しO脚が原因の症状を知る

変形性膝関節症の診察ポイント

なるべく初期症状のうちに、変形性膝関節症を見抜きたいのもですが、自分で判断するのは困難です。整形外科医は、医療機器を使用して症状を判断していきます。ここでは、整形外科医が行なっている診察項目をみてみましょう。

問診

  • 年齢
  • 症状や病歴
  • 日常生活への支障

関節の働き

  • 変形の進行具合
  • 関節の硬さ
  • 痛みの頻度

レントゲン

  • 骨棘の形
  • 関節裂隙の状態
  • 関節軟骨下骨の硬化

変形性膝関節症にはグレードが設けられている

グレード0
レントゲンによる画像診断では5つのグレード分類する方法があります。膝の変形や痛みがなく、異常が確認できない、正常な状態です。
グレード1
軟骨が減少して、関節の隙間が狭小化している疑いがあり、軽度の骨棘(骨の棘)という関節の変形がある状態のことです。ここまでは、変形性膝関節症とは診断されません。
グレード2
レントゲン画像でもはっきりとわかる骨棘ができていて、軽度の関節裂隙狭小化が起きている状態です。関節に違和感や痛みを感じます。
グレード3
膝を真っ直ぐ伸ばすことが難しくなり、複数の骨棘が形成されている状態です。関節裂隙狭小化が進行して、軟骨の硬化が起きています。
グレード4
骨棘はさらに大きくなり、重度の関節裂隙狭小化や軟骨の硬化が起きている状態です。グレード4になると、歩くことも困難になります。

グレード2以上で変形性膝関節症と診断される

グレード3やグレード4は、関節の軟骨がなくなって狭小化しているために、見た目がとても痛そうです。しかし、画像診断の結果と本人の痛みが一致しないことも変形性膝関節症の特徴です。グレード2から変形性膝関節症と診断されるので、痛みがなくても治療が必要になります。また、膝の関節の可動範囲が極端に小さくなるグレード3やグレード4では、手術が必要になるケースもあります。手術以外では、保存治療も効果的です。

変形性膝関節症の治療・手術法

変形性膝関節症は、重度になると手術が必要なります。適切な手術を行なうと、症状の進行を遅らせることができるので、自分の足で再び歩くこともできます。ここでは、手術による治療や保存治療について紹介します。

手術法

関節鏡手術
関節鏡手術は、膝に1cm程度メスを入れて、複数箇所の穴から内視鏡を使用して手術する方法です。関節内の炎症物質を洗い流して、剥がれそうな軟骨を削りとっていき、変形し断裂した半月版を切除することで痛みの原因を取り除きます。短期的な改善が期待できる関節鏡手術ですが、軟骨の損傷が激しいケースでは行なっても効果がほとんどないこともあります。治療の効果には限界があるために、医師と相談して手術してください。
高位脛骨骨切り術
O脚の人は、膝の内側に体重がかかるので、負担が大きくなり、変形も大きくなります。変形性膝関節症を悪化させる原因となっているO脚を改善するのが、高位脛骨骨切り術です。O脚をX脚になるように骨を切除して固定することによって、膝の内側にかかっていた体重を正常な位置に戻すことができます。切り取る骨も自分の骨なので、副作用やアレルギー反応の心配は必要ありませんが、骨が癒着するまでは、少し時間がかかります。
人工関節置換術
自分の骨を使わずに、人工関節を置き換える手術方法です。変形している骨を削り取り、金属を入れることで、膝の変形を防ぎ、短期間で痛みを取り去ることができます。全置換術と単置換術があります。全置換術は膝の内側と外側を置き換えますが、単置換術では、内側と外側の片方だけを置き換えます。術後は自足歩行することも可能です。しかし、関節内に金属を入れるので、感染症や緩みなどで合併症の危険性もあります。

手術を伴わない治療法もある

変形性膝関節症は、手術による治療法以外にも保存治療もあります。保存治療では、リハビリテーションや薬物療法、装具療法などを組み合わせて改善していきます。症状によっては、保存治療と手術を同時に行なうこともあります。

保存治療の種類

基礎療法
「正座をしない」「長時間の歩行は避ける」など、膝に負担のかかる行動をしない生活習慣にしていくことで、進行速度を遅くすることができます。また、体重を増やさない食生活も重要です。簡易のサポーターで膝を冷やさないことも大事になります。変形性膝関節症が悪化しないライフスタイルに切り替えることが基礎治療の目的です。
運動療法
運動療法は、リハビリテーションとも呼ばれることがあります。目的は、筋力の低下を防ぎ、膝関節の可動域を広くすることです。自分の体重を支える訓練として、膝の負担が少ない水中ウォーキングや仰向けで足を上げ運動を行ないます。筋肉を強化することができれば、体重を支えられるだけでなく、膝の痛みを軽減できます。
装具療法
日本人に多いとされるO脚(またはX脚)も変形膝関節症の原因の1つとされています。O脚の不安定な膝を、サポーターやテーピングの装具でしっかりと固定します。そうすることで、体重を正常な位置にかかるようにすることができる治療法です。サポーターやテーピングをすることで、膝の痛みを軽減できるので、杖を使えば歩行も可能になります。
物理療法
炎症が起こり、慢性的な痛みに悩まされている場合は、物理療法を行なって改善を目指していきます。慢性的な痛みは血行が原因なので、血行を良くするための温熱療法を行ないます。そして、炎症で熱を持っている場合は、患部の冷却療法を行ないます。病院では医療機器を使用しますが、入浴や温湿布で温めて、アイシングによって冷却することも可能なので、自宅でもできる治療法です。
薬物療法
変形性膝関節症の痛みや症状を抑えるために、薬物療法も有効な治療法です。ヒアルロン酸は、関節の潤滑作用や軟骨の保護に効果的な成分です。そのため、初期症状の変形性膝関節症を予防することが期待できます。さらに、変形による痛みや炎症を抑えるために、ステロイド剤を膝の関節に直接注入する療法です。他にも外用薬を用います。
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